Heel Building

ソールが縫い上がり、いよいよ最後の山場、ヒールを積み上げていく行程です。ヒールの構造は以外と知られていないようで、「木で作られているんですか?」と聞かれることがあります。そのような仕様もあるかもしれませんがハンドメイドシューズの場合、「固い革を一枚ずつ積み上げている」というのが正解です。ヒールピースという4.5mmほどの革をヒールに釘で固定してまわりをナイフでトリミングする作業を何度か繰り返してヒールをつくっていきます。

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そのまま積み上げていくと靴の接地部分(靴の前方)と差が出てしまい歩行時にガクガクして歩き難くなってしまいますので適正に角度がつくように革の厚みを調整して斜めになるようナイフで整えています。

今回は片足で3枚のヒールピースを積み上げました。最後にラバーのヒールピースをとりつけてトリミング。この状態で設計通りのヒールの高さになるように調整しました。

このあと、大型のグラインダーを使ってコバとヒールを削り込んでいきます。私はグラインダーを所有していないので、知人の工房で借りて作業しました。

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ヒールの形状が垂直になるように、また左右の形が同じになるように削っては確認を何度か繰り返しHeel Buildは完了です。

釘で一枚ずつ固定しているのでヒールがとれることはないと思いますが、万が一フィールドでそのような事態が生じたら歩行が困難=危険な状況に発展してしまいます。それで最後にヒールにビスを打ってさらに固定します。

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このビスはマイナスネジの真鍮製です。よくあるスチールのプラスネジは水がたまり易く錆び易いのでマイナスの真鍮が適している。単にアイレットやDカンに合わせているというわけではなく、耐久性を考慮してのセレクトです。ちなみにマイナスネジは日本では既に流通しておらず、イギリスからの取り寄せとなります。イギリスはアンティーク家具を大切にして親から子へ孫へ受け継ぐ文化があり、修理を行う必要から未だにマイナス真鍮ネジが製造されているのです。こういう文化は靴にも垣間みることができて、古くなっても修理して履き続ける文化があります。修理して使う。モノを大切にするという現代人が忘れがちな価値観がまだ残っているのは素晴らしいことだと思います。

このヒールも消耗してすり減ったら容易に交換できるようになっています。長く使って頂くために修理が可能な設計にする。経年変化した姿が真の完成形となるためには必須な仕様です。

このあと、ヒールとコバにインクを塗り、最後にカバーをはずして完成です!次の投稿ではいよいよ完成の姿をアップします。

 

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